弁護士法人TKY法律事務所(那覇オフィス)
【無料法律相談(面談相談)のご案内】特別縁故者に対する相続財産の分与
相続人不在の場合の財産は
相続人が不在である場合の相続財産は、最終的には国庫に帰属することになります。
しかし、亡くなった方(被相続人)と夫婦同然の生活をしてきた方(内縁配偶者)や事実上の養親子がいる場合にも、その方々が相続財産を何も取得出来ないのは可哀そうな気がします。
何か方法はないものでしょうか。
特別縁故者に対する相続財産の分与に関するご相談は、TKY法律事務所(沖縄県庁近く)にお任せ下さい。初回法律相談は無料(30分以内)ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
特別縁故者に対する財産分与の要件
相続人の存否が不明である場合に、家庭裁判所により選任された相続財産管理人が被相続人の債務を支払うなどして清算を行った後、相続人としての権利を主張する者がいない場合において、家庭裁判所は、相当と認めるときは、被相続人と特別の縁故のあった者の請求によって、残った相続財産の全部又は一部を与えることができます。
申立人
・被相続人と生計を同じくしていた者
・被相続人の療養看護に努めた者
・その他被相続人と特別の縁故があった者
分与の程度・内容
分与の程度や内容は家庭裁判所の裁量に委ねられており、特別縁故者が内縁配偶者や事実上の養親子であるような場合など、関係が深く、相続財産に対する期待を保護しなければならない場合は、残余財産の多くが分与される可能性があります。
それに対し、特別縁故者が相続人以外の親族である場合、特別縁故者が親族以外の者である場合、縁故が特定の相続財産に限られている場合など、特別縁故者と被相続人との関係が薄れ、相続財産に対する期待を保護すべき要請が少なくなるにつれて、分与される財産や割合は少なくなるのが一般的です。
参考裁判例
【内縁配偶者に対して、残余相続財産の全部を分与した例】
(名古屋家裁平成6年3月25日審判)
申立人は,甲太白の内縁の妻として,法律上の夫婦同様の生活をしてきたものであるから,民法958条の3所定の「特別の縁故があった者」と認めることができる。そして,本件各不動産はすべて甲太白と申立人が協力して形成したものであるから,全部を申立人に分与するのが相当である。
【被相続人の療養看護や財産管理を尽くした親族に財産の一部の分与を認めた例】
(大阪高判平成20年10月24日審判)
被相続人が高齢及び認知症状により一人暮らしが困難となって老人ホームに入所するまでの間は,A及びBと被相続人は,遠隔地に居住していたこともあって,その関係は,精神的な交流を中心とするもので,親しい親戚関係の範囲内にあるものと評価することはできるが,相続財産の分与を相当とする関係に達しているとまでみることは困難というべきである。
しかし,被相続人が平成11年に老人ホームに入所してからは,Bが,入所時の身元保証人や成年後見人となったほか,AとBは,多数回にわたって,遠距離の旅程をものともせず,老人ホームや入院先を訪れて,親身になって被相続人の療養看護や財産管理に尽くした上,相当額の費用を負担して,被相続人の葬儀を主宰したり,その供養も行っているものである。
このような関係をみると,AとBは,被相続人と通常の親族としての交際ないし成年後見人の一般的職務の程度を超える親しい関係にあり,被相続人からも信頼を寄せられていたものと評価することができるから,民法958条の3所定の,いわゆる特別縁故者に該当するものと認めるのが相当である。
そこで,被相続人の相続財産からどの程度の財産をAとBに分与すべきかについてみるに,上記のA及びBと被相続人の特別の縁故関係,相続財産管理人保管に係る相続財産が,本件遺産動産のほか預金約6283万円であること,その他,本件に表れた一切の事情を考慮すると,原審の定めた金額はやや低額とみることができ,被相続人の相続財産からAに対し本件遺産動産及び500万円を,Bに対し500万円を,それぞれ分与するのが相当というべきである。
特別縁故者についての民法の条文
第六章 相続人の不存在
(相続財産法人の成立)
第九百五十一条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。
(相続財産の管理人の選任)
第九百五十二条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の管理人を選任しなければならない。
2 前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なくこれを公告しなければならない。
(相続人の捜索の公告)
第九百五十八条 前条第一項の期間の満了後、なお相続人のあることが明らかでないときは、家庭裁判所は、相続財産の管理人又は検察官の請求によって、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。
(権利を主張する者がない場合)
第九百五十八条の二 前条の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに相続財産の管理人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。
(特別縁故者に対する相続財産の分与)
第九百五十八条の三 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。
(残余財産の国庫への帰属)
第九百五十九条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。
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